あなたはかぐや姫である ⑤ 迎えが来る

無常の地

かぐや姫からの告白と月への帰還を告げられた翁は激しく悲しみ、急激に老いてしまう。

少し前まで翁は幸福だったが、腰は曲がり、目もただれ、急に老人のようになってしまった。

地では変化することから何人たりとも逃れられない。ここにも地上の性質が出ている。どれほど大切なものでも、その形はいずれ変わる。

しかし、翁は諦めず、全力をかけてかぐや姫を守ろうとする。知らせを聞いた帝も動き出し、二千人もの兵をかぐや姫の家へ送った。

地上では問題が起きたとき力には力で対抗する。

が、真理を相手にすると地上のやり方は役に立たない。月の迎えが来た瞬間、突然二千人の兵は力を失ってしまう。

皆、戦おうとしても、まったく身体が動かない。

天の者は軽い

月の迎えが来た夜、辺りは昼以上に明るくなった。満月を十個合わせたほどの光。光明である。

天人たちは雲に乗って降りてくる。

私はここで、天人の乗っている雲をマインドとして見る。天人たちは雲に縛られない。雲を乗りこなすのだ。天と地を行き来するために必要ならただ使う。

そして、彼らは光とともに現れ、地面に立たず少し浮いている。彼らは軽い。

光、そして軽さは英語ではどちらも light である。そして enlightenment、悟りという言葉にも light がある。

光が差すこと。軽くなること。地上の重さから離れていくこと。

それまで見えなかったものが明らかになることが、ここでは同時に示されているように見える。

ここで最初の話へ。

石を手から離してみると、引力によってそのまま下へ落ちる。上へ行くものは「上へ行こう」と頑張っているわけじゃなく、その性質によって上がる。

かぐや姫は決して自分の力で月へ飛んでいったわけではなかった。

たしかに表面的には地への未練も、ここにいたい気持ちもあった。だけど彼女の深いところでは、ずっと月が輝いていた。

迎えは向こうから来たのだ。

月の方から恩寵となって現れた。

自力で空や月を目指すなら、飛行機やロケットのように作用と反作用が起こる。抵抗力に逆らうための強い燃料が必要になる。

地のやり方で月を目指す場合、それだけの力が必要になる。

しかし、彼女はただ地上を生きた。深いところでは月が消えないまま、その中で自然と成熟していった。

何もかも無駄じゃなかった。

世界や環境を通して、彼女にとっての必要なプロセスは一時も休まずに起こっていたのだ。

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この記事を書いた人

パラトゥリクス管理人。真理探究、悟り、意識について書いています。

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