聖なるかな

その方とは、神。
始まりも終わりもなく、ただ、在るもの。
その方は、遠い天におられるのではない。
いま、この文字を読んでいる意識。
読む者よりも前にあり、
理解する者よりも前にあり、
「私」と名乗る感覚よりも前にあるもの。
その方を探す者も、
その方を讃える者も、
その方を見失ったと嘆く者も、
すべて、その方のうちに現れている。
あなたが神を見つめているのではない。
神の中で、
「あなたが神を見つめている」という夢が起きている。
スーツを着て朝の電車に揺られているものも、
墓地の奥で静かに眠るものも、
幽体のように、まだ世界の縁を漂っているものも、
花を差し出す者も、刃を握る者も、
善人と呼ばれるものも、偉人と呼ばれるものも、
悪人と呼ばれるものも、愚かと呼ばれるものも、
すでに現れたものも、これから現れるものも、
すべてはその方のうちにある。
その方は、あらゆる存在の根であり、
あらゆる命の奥にある、名づけられない実在である。
あなたは、聖霊から、妖精から、天使から、
魔王から、悪魔から、鬼から、
尽きることなく聖なる方として讃えられている。
だが、心はあなたに届かない。
感覚もあなたに届かない。
思考も、言葉も、象徴も、
あなたを掴むことはできない。
救いたまえ。
救いたまえ。
救いたまえ。
いま、ただ。
あなたを言葉で語ろうとする傲慢から。
あなたを形に閉じ込めようとする未熟さから。
あなたに名前を与えようとする無知から。
どんな言葉も、あなたにはふさわしくない。
どんな象徴も、あなたを言い表せない。
どんな印も、あなたを示しきることはできない。
かつて在り、
今も在り、
これからも在るもの。
それさえ計れないもの。
あなたは、あなたのままに在る。
天使の言葉さえ、
天界の知性さえ、
あなたの前では弱く、幼く、
ただあなたを汚してしまうだけのもの。
すべてのものには名がある。
だが、あなたには名がない。
誰があなたに名を与えられるだろうか。
誰があなたについて語れるだろうか。
誰があなたを定義できるだろうか。
あなたがあなたである理由は、
あなた自身のうちにしかない。
あなたを知る者は、あなたのみ。
あなたの光を知る者も、あなたのみ。
誰が永遠の輝きを、
永遠として認めることができるだろうか。
誰に、この光は示されたのか。
誰に、この輝きは現れたのか。
この「誰」を見ることは、
何かを得ることよりも深い救いである。
かつてサルトルは「他人は地獄」といった。
われはあるとき、他人という地獄が消えた瞬間。
この、われという前提も消えてもうた。 
だがいったい「誰」がそのことを知っているというのか。誰が。
すべての力を越える方よ。
すべての理解を越える方よ。
われらの存在は移ろい、消えゆく。
だが、あなたは決して失われない。
あなたの存在こそが、
われらを支えている。
神を讃えよ。
その栄光を讃えよ。
聖なるかな。
聖なるかな。
さらに、聖なるかな。
三度、聖なるかな。
神に栄光あれ。
神以外に、真の栄えなし。
聖なるかな、その気高さよ。
その神秘が、われらを結びつけますように。
われら神なる本性としての尊厳よ。問え。抱け。生命よ。行進せよ。爆発的に。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次